収益不動産の価格|粗利回りの取扱は慎重に
収益物件の価格を求めるときには、粗利回りから判断する場合がありますが、これには十分な注意が必要です。
粗利回りは不動産に実際にかかってくる費用を考慮していません。また。シンプルでわかりやすい収益計算の目安となりますが、決して正確な収益価格を示すものではありません。
たとえばですが、年間3,000万円の賃料収入が得られるA,Bの二つの賃貸ビルがあったとします。
立地条件や築年数等などは、ほぼ同じ条件として、Aビルは3億円、Bビルは3億2,000万円で売り出されていたとします。
この場合、Aビルの粗利回りは10%でBビルの粗利回りは約9.3%となります。
表向きはAビルの方が利回りが良く、得に思われます。
しかし経費率を調査すると、Aビルは30%で、Bビルは20%となっていました。
収益物件の収益性の高さは、粗利回りではなく、純利回りベースで比較する必要があるのです。
つまり、手元に残る純収益と元本価格との関係で判断するのが賢明です。
そうすると、この場合はどうなるでしょうか。
Aビルの経費率は30%ですから、純収益2100万円となり、純収益ベースでの利回りは7%(=2100万円÷3億円)となります。
また、Bビルの経費率は20%ですから、純収益は2400万円となり、純収益ベースでの利回りは約7.5%(=2400万円÷3億2,000万円)となってきます。
つまり、この二つの賃貸物件を比較して購入するとすれば、粗利回りの高いAビルではなく、粗利回りでは低いBビルにすべきであることが判断できると思います。
粗利回りというのは、経費率は一定と仮定した場合のシミュレーションです。
経費の算定は手間がかかりますが、費用はしっかり見積をして、表向きの粗利回りに惑わされることなく、慎重に対応していくことが大切です。
株式会社トライネット不動産
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