収益不動産の価格|粗利回りの取扱は慎重に

query_builder 2022/08/23
事業用物件アパート
信州の風景 諏訪湖

収益物件の価格を求めるときには、粗利回りから判断する場合がありますが、これには十分な注意が必要です。

粗利回りは不動産に実際にかかってくる費用を考慮していません。また。シンプルでわかりやすい収益計算の目安となりますが、決して正確な収益価格を示すものではありません。

たとえばですが、年間3,000万円の賃料収入が得られるA,Bの二つの賃貸ビルがあったとします。

立地条件や築年数等などは、ほぼ同じ条件として、Aビルは3億円、Bビルは3億2,000万円で売り出されていたとします。

この場合、Aビルの粗利回りは10%でBビルの粗利回りは約9.3%となります。

表向きはAビルの方が利回りが良く、得に思われます。

しかし経費率を調査すると、Aビルは30%で、Bビルは20%となっていました。

収益物件の収益性の高さは、粗利回りではなく、純利回りベースで比較する必要があるのです。

つまり、手元に残る純収益と元本価格との関係で判断するのが賢明です。

そうすると、この場合はどうなるでしょうか。

Aビルの経費率は30%ですから、純収益2100万円となり、純収益ベースでの利回りは7%(=2100万円÷3億円)となります。

また、Bビルの経費率は20%ですから、純収益は2400万円となり、純収益ベースでの利回りは約7.5%(=2400万円÷3億2,000万円)となってきます。

つまり、この二つの賃貸物件を比較して購入するとすれば、粗利回りの高いAビルではなく、粗利回りでは低いBビルにすべきであることが判断できると思います。

粗利回りというのは、経費率は一定と仮定した場合のシミュレーションです。

経費の算定は手間がかかりますが、費用はしっかり見積をして、表向きの粗利回りに惑わされることなく、慎重に対応していくことが大切です。

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