建物の賃貸借期間が意味すること

query_builder 2022/11/15
事業用物件アパート
信州の秋の風景 木曽路

土地や建物は一般商品とは異なり、一度賃貸に提供されると、借主の生活の拠点となったり、事業活動の基盤が形成されます。

ですので、不動産の賃貸借は、ものの貸し借りを超えて、人の生活の営みが大きく関係してきます。

建物の所有者が自分の都合だけで、一方的に借主に退去を迫るような状況となった時、法律が無条件にこれらのことを認めてしまうと、借主の生活や事業活動に大きな障害が生じてしまいます。

一般的な建物の賃貸借契約は、人の営みの重要性を念頭において、法的な取り扱いがなされていると、考えて良いと思います。

実務でいつも話題になるのが、建物の賃貸借契約期間を何年にするのか?ということです。

実際に契約書には2年とか3年、5年という記載がされています。

どのように取り決めているのは、担当者次第というのが実情なので、この賃貸期間は借地借家法のどの条文を根拠としているのでしょうか?

くまなく、改めて調べてみても、どこにも掲載されていません。

民法では、賃貸借の期間は20年を超えることはできないと規定されていますが、この期間の範囲であれば契約期間は当事者間の合意となります。

借地借家法では期間を1年未満とする賃貸借は、これを無効として、期間の定めのない契約として取り扱うこととしています。

では、契約書に契約期間が2年となっていた場合、その期間を経過したら、その時点で借りている建物を明け渡し、退去しなければならいのでしょうか?

結論を言えば、契約期間が満了したからといって、貸主が自ら使用しなければならない正当な理由がなければ、いくら契約書に2年間とする旨が記載されていても、そのようにはなりません。

借主が家賃を払っていて、通常の使用の範囲で賃貸しているのであれば、契約期間が終了していても、借主は使用を継続することができます。

これは借地借家法という強行規定が存在するために、貸主の都合だけで契約を終了させることはできないからです。

契約期間の意味することはなんでしょうか?

地域にもよりますが、更新料を授受する、区切りの期間と考えるのが妥当なようです。

でも、この更新料も借家借地法で明文化されいるわけではないので、契約期間の解釈は、大家さんに解約を請求しないこと、そして家賃を据え置く期間と受け止めていただくのがよさそうです。

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