住所にある2つの名称

query_builder 2022/11/22
土地
南信州、晩秋の風景

多くの場面で記入を要求される『住所』、郵便物や宅急便を届けてもうらうには必須のものですが、実は正確な呼び名が2つあります。

『住居表示』と『地番』という2つの名称があり、普通に生活している分には、お目にかかることがないと思われます。

昭和37年5月10日に「住居表示に関する法律」が公布され、住居表示が実施されるまでは、登記簿の地番が住居を表示する手段として、そのまま用いられていました。

地番に多数の家屋が存在するとか、地番そのものが必ずしも秩序よく付されてなく、場所が不明瞭等の不都合があり、これらを是正する為『住居表示』が実施されました。

このような住居表示ですが、全国的にみると、市街化の進展の状況により住居表示が実施されていない場所も多く、農村部では地番がそのまま住所として使われている場合もあります。

折角なので『地番』と『住居表示』を少し掘り下げてみましょう。

地番とは土地一筆ごとに付与されている番号のことです。

この地番は不動産登記規則98条にもとづき法務局によって付けられ、土地登記簿の表題部に記載されています。

先ほど話をしたように、地番の歴史は住居表示よりも古く、「住居表示に関する法律」が施行された昭和37年よりも前は地番を住所として利用するのが一般的でした。

地番は土地登記の管理に重要で、この地番によって登記情報が登録され、所有権や固定資産の納税額が明確されています。

次に住居表示です。

地番は土地ごとに付けられた番号でしたが、住居表示は建物に対して振り分けられた番号になります。

郵便物の送付先として普段の生活で使われている住所が、この住居表示になり、私たちが住所として認識しているものです。

ではこの住居表示はどのように付与されているのでしょうか?

役所の担当者が建物の玄関の位置を確認して、住居表示を割り振っていきます。

建物を確認しての割り振りになりますので、空き地や農地には建物がたっていないため、住居表示がありません。

また、何筆かの敷地にまたがって、建物がたっている場合は地番は複数になりますが、住居表示は1つになります。

普段の生活では登記簿を取得するという場面は少ないので、『住所』=『住居表示』として捉えて問題ありませんが、土地の登記関係では地番が必要になるため、『住所』とは『住居表示』と『地番』から成ると、記憶のどこかに留めておいてください。

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株式会社トライネット不動産

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